7月6日(土)は二十四節気「小暑(しょうしょ)」で、夏が本格化する頃です。例年では梅雨明けと重なることが多く、日に日に暑さが厳しくなっていく時季です。
小暑と大暑の期間をあわせて「暑中」といいます。相手の健康を気遣って、暑中見舞いを送る時季でもあります。
まとわりつく暑気にうんざりしがちですが、この時期ならではの楽しみもあるのではないでしょうか。
小暑の頃に咲く「蓮(はす)の花」
二十四節気の各節気をそれぞれ3つに分けた七十二候(しちじゅうにこう)では、小暑の次候は「蓮始開(はすはじめてひらく)」となっています。
確かに、小暑のころには、開花した蓮の花を見ることができます。
泥の中から美しい花を咲かせる蓮は、仏教では神聖な花とされ、極楽浄土の象徴でもあります。
蓮の地下茎は野菜の蓮根(レンコン)としておなじみです。蓮の実も、お茶菓子などとして食べることがあります。
各地の池や沼、水田などで蓮の花を見ることができますが、蓮の花が咲くのは、未明から早朝。午後にはしぼんでいることが多いので、蓮の花を見るには、早めに出かけたいものです。
7月7日はどうして「七夕(たなばた)」なの?
「七夕」は古代、中国から伝わった伝説や「乞巧奠(きっこうでん、きこうでん)」という行事に、もともと日本にあった風習が結びついて誕生したといわれます。形を変えながら、今に受け継がれてきました。
まず古代中国の伝説から見てみましょう。
漢名では、わし座のアルタイルを牽牛星(けんぎゅうせい)、こと座のベガを織女星(しょくじょせい)といいます。牽牛星は牛飼いで、織女星は天帝の娘で、機織(はたお)りの名手だとされました。
彼らはめでたく結婚したものの、互いに夢中になりすぎて、仕事を怠けるようになってしまいます。怒った天帝は二人を引き離しますが、嘆き悲しむ二人を憐(あわ)れみ、年に一度、7月7日だけ、天の川(あまのがわ)を渡って会うことを許しました。
ちなみに、「七夕」は本来、旧暦7月7日の行事ですから、立秋のころです。そのため歳時記では秋の季語になっています。
七夕といえば、星に願い事をする風習もありますが、これは中国の「乞巧奠」という行事に由来します。乞巧奠は7月7日に星をまつり、裁縫や手芸の上達を祈願する行事です。
江戸時代になると、短冊に願い事を書いて、笹につるすようになりました。
一方、古代日本では、若い女性が、お盆に先立って機織り小屋にこもり、神に捧げる衣を織ったそうです。この女性を「棚機津女(たなばたつめ)」と呼びました。
七夕の語源はこの棚機津女からきたといわれます。
また、日本では、牽牛星は彦星(ひこぼし)、織女星は織姫星(おりひめぼし)と呼ばれてきました。(「織姫星」は「織姫」と略すこともあります」)
七夕には、そうめんを食べる習わしもあります。
短冊に願いをしたため、夜空を見上げ、星の恋物語に思いを馳せ、そうめんをいただく。これはなんとも平和な一日といえるかもしれません。