オーストラリア東部、コアラ保護で森林伐採禁止 国立公園設立へ
by AFP BB News
コアラの親子(2024年12月14日撮影、資料写真)。(c)DAVID GRAY/AFP【9月7日 AFP】オーストラリア東部州は7日、コアラの生息地を保護し、局地的な絶滅を防ぐことを目的に、広い範囲での伐採を禁止すると発表した。
ニューサウスウェールズ州政府は、州北部の沿岸部に広がる17万6000ヘクタールの森林の伐採を8日から禁止し、「グレート・コアラ国立公園」を設立すると決定した。この措置は、製材所6施設と約300人の労働者に影響を及ぼす。
現状を放置すれば、2050年までに同州のコアラが絶滅する可能性があると警告されており、これを受けた対応となった。
環境保護団体によると、ニューサウスウェールズ州のコアラの個体数は、森林伐採、干ばつ、山火事の影響で近年急激に減少している。
クリス・ミンズ州首相は「ニューサウスウェールズ州で野生のコアラが絶滅の危機にある。これはあってはならないことだ。国立公園の設置は、その状況を逆転させるためのものだ」と述べた。
さらに「私たちは慎重に検討を重ね、労働者、企業、地域社会があらゆる段階で支援を受けられるようにしている」と強調した。
州政府は声明で、影響を受ける各製材所に対して労働者の給与や事業費を補填する支援金を提供するほか、訓練、財務、健康、法務サービスへの無料アクセスを保障すると表明した。
州政府は2023年にもコアラ保護区の計画を発表したが、当時の伐採停止の対象は8400ヘクタールにとどまっていた。
当局によると、この国立公園は1万2000匹以上のコアラのほか、グレーター・グライダー(ムササビに似た有袋類)3万6000匹、さらに100種以上の絶滅危惧種に安全な生息地を提供する。
また、同地域で新たな観光や小規模ビジネスの機会を支援するため600万オーストラリアドル(約7億8000万円)を投資するとした。
加えて、公園創設に向けて、2023年に発表した8000万オーストラリアドルに新たに6000万オーストラリアドル(約58億円)を上乗せすると表明した。(c)AFP
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