雷の世界新記録認定、最長距離829キロのメガフラッシュ・ライトニング
by AFP BB News
米首都ワシントンで観測された雷(2015年4月20日撮影)。(c)Mladen ANTONOV/AFP【8月1日 AFP】1回に発生した雷の光が水平方向に伝わる最長距離の世界記録が7月31日、新たに認定された。
世界気象機関(WMO)によると、この829キロに及ぶメガフラッシュ・ライトニングは2017年10月22日、米国のテキサス州東部から中西部ミズーリ州カンザスシティ近郊にかけて観測された。
WMOは、雷の桁外れの威力と、雷が発生源の嵐から遠く離れた場所にも危険をもたらす可能性があることを改めて浮き彫りにしたと指摘している。
これまでの記録は、2020年4月29日に米国のミシシッピ州とテキサス州の間で観測された768キロだった。この記録は2022年に認定された。
どちらの記録も、誤差の範囲はプラスマイナス8キロ。
2017年の嵐では、複数のメガフラッシュが観測された。 3例が分析され、メガフラッシュ・ライトニングの画期的な定義が確立された。
この嵐のデータをさかのぼって再検討した結果、これまで見過ごされてきた、2020年観測されたものよりも大きなメガフラッシュ・ライトニングが確認された。
WMOの気象・気候極端現象担当報告官、ランドール・セルベニー氏は、「雷は、発生源となる嵐からかなり遠くまで伝わることがある」「だからこそ、晴れ渡った空に突然雷が鳴るように見える『青天の霹靂(へきれき)』という言葉がある」と説明した。
WMOの雷に関する他の三つの記録は下記の通り。
■最長継続時間
2020年6月18日、南米のウルグアイとアルゼンチン北部で観測された17.102秒(誤差の範囲は0.002秒)。
■最多死者数
1994年、エジプトのドロンカで石油タンク群に落雷し、燃える石油が町を浸水させた際、間接的に469人が死亡した。
■落雷単独の最多死者数
1975年、ジンバブエの小屋に落雷し、中で身を寄せ合っていた21人が死亡した。(c)AFP
Credit info
AFP BB News
*サービスされるすべてのコンテンツの著作権は、その提供元にあります。 ウェザーニュースには記事を修正または削除する権限がないため、お手数ですが記事の提供元に要請して下さるようお願いします。