週刊地震情報 2025.7.13 トカラ列島の地震活動継続 増減を繰り返し終わり見えず
by ウェザーニュース

この1週間に国内で観測された有感地震の回数は、前週に比べると減少しています。トカラ列島近海の地震活動は継続していて、活動前に比べると依然として多い水準です。震度3以上の地震は33回発生しました。(7月6日〜13日10時の集計)
国内:一連の活動で8回目の震度5弱以上
最近1週間のM4.0以上の地震7日(月)の0時12分頃、トカラ列島近海を震源とするマグニチュード5.1、深さ22kmと推定される地震が発生しました。この地震で鹿児島県十島村・悪石島で最大震度5弱を観測しています。
6月21日(土)から始まった一連の活動で、震度5弱以上を観測するのは8回目です。
8日(火)以降は震度5弱以上の発生はないものの、震度4以上は6回起きていて、活発な活動が続いています。
今回の活動は増減を繰り返し長期化
トカラ列島近海の有感地震回数今回のトカラ列島近海の地震活動で特徴的なのは、地震回数が減少してもそのまま沈静化に向かわない点です。
6月23日(月)に183回と有感地震が最多になった後、26日(木)、27日(金)に10回まで減少。その後は再び増加に転じて、7月3日(木)は最大震度6弱の地震が発生し、有感地震が168回に達しています。
2回目の波は1週間余り続いて、7日(月)からようやく減少に向かい、10日(木)は有感地震が22回でした。ただ、翌日11日(金)は5日ぶりに100回を超え、12日(土)は有感地震こそ少なかったものの、震度3が3回、震度4が1回発生しています。
活動期間は3週間を超え、有感地震は1900回以上です。終息に向かうかどうかは、まだしばらく状況を見ていく必要があると考えられます。
国内:根室半島南東沖の地震で震度3を観測
9日(水)12時39分頃、根室半島南東沖を震源とするマグニチュード4.4、深さ96kmと推定される地震が発生しました。この地震で北海道根室市と別海町で最大震度3を観測しています。
根室半島南東沖を震源とする震度3以上の地震は6月22日に起きたばかりですが、今回と同じような深さ100km近い震源の地震は2020年1月以来です。メカニズムは北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。
この領域は太平洋プレートが北米プレートに沈み込むことで、しばしば大きな地震が発生します。今回はプレート境界よりも深い所が震源で、太平洋プレート内部で発生した地震です。
世界:ニュージーランドの南西でM6.3の地震
世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は1回発生しています。最も大きな地震は、ニュージーランドの南西海域で発生したマグニチュード6.3です。
日本時間の7日(月)の夜にニュージーランドの南西の海域を震源とするマグニチュード6.3、深さ約22kmと推定される地震が発生しました。
ニュージーランドの南島まで強い揺れの範囲は拡大せず、津波も発生していません。地震のメカニズムは東西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。
ニュージーランド周辺は太平洋プレートとオーストラリアプレート(インド・オーストラリアプレート)の境界に位置し、大きな地震が度々発生している領域です。
2つのプレートの境界付近は動きが複雑で、様々なメカニズムの地震が発生します。南島の南部から南西の沖合にかけては、太平洋プレートがオーストラリアプレートの沈み込んでいるため、今回のような逆断層型の地震が主流です。
最近では2009年にマグニチュード7.8の地震が発生し、家屋の損傷や小規模な地すべりがみられました。また、津波も発生し、ニュージーランドでは最大40cmを観測しています。
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出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
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