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一人暮らしの高齢者に寄り添うAI技術、万博で話題に…韓国ネイバー「未来の福祉技術」実践

by AFP BB News

パフォーマンスゾーンでは、ケアコールの機能が楽しいミュージカル形式の公演として披露された(c)KOREA WAVE「一人でいらっしゃるおばあさんが誰かと話すことができれば、それだけでも大きな慰めになると思います」

91歳の祖母のためにネイバークラウドの「2025大阪・関西万博」の展示場を訪れた31歳の佐藤さんは、このように語った。彼の言葉の通り、人工知能(AI)技術が高齢者の孤独を和らげ、日常的な会話を引き出すことができるならば、それだけで技術は十分に温かいものになり得る。今回のイベントで、ネイバークラウドはその可能性を示した。

ネイバークラウドは「2025大阪・関西万博」で、「ネイバーAIフェスティバル:技術でつなぐ未来」というテーマで9日から11日まで展示館を開き、超高齢社会に向けたAI技術を公開した。

ネイバークラウド大阪・関西万博展示現場(c)KOREA WAVEネイバークラウド大阪・関西万博展示現場(c)KOREA WAVE

ネイバーの展示館には連日4000人以上の来場者が訪れ、賑わいを見せた。地方自治体の関係者らも多数参加し、ネイバーの技術に大きな関心を示した。

特に注目を集めたのは▽高齢者の安否を確認し異常の兆候を検知するAI安否確認サービス「クローバ・ケアコール」▽都市全体を3Dデジタル空間で再現し、高齢者の移動・行動データをリアルタイムで可視化・管理する「デジタルツイン」技術だった。

◇AIによる最初のあいさつ…「今日は気分はいかがですか?」

展示館は大きく三つの空間に分かれていた。来場者を迎えるイントロゾーン、技術をパフォーマンスとして紹介するステージ、そして実際のサービスを体験できるスペースだ。

特にケアコール体験ブースでは、AIからかかってくる安否確認の電話を実際に受け取り、さまざまな会話を楽しむことができた。AIがかける自然な口調と、記憶に基づいた対話は、単なる案内を超えて、情緒的な安心感まで与えてくれた。

クローバ・ケアコールが悩みを聞きながら慰めの言葉をかけた(c)KOREA WAVE

クローバ・ケアコールが悩みを聞きながら慰めの言葉をかけた(c)KOREA WAVE

クローバ・ケアコールを体験した31歳の佐藤さんは「ケアコールは病院の診察前に症状を話す練習にもなりそうで、期待している」と語った。

韓国国内では、クローバ・ケアコールは約140の自治体で3万人余りの独居高齢者や中高年の一人暮らし世帯を対象に運用されており、ユーザー満足度は80~95%に達している。

現在は島根県出雲市で試験運用中だ。今後は高齢化率の高い日本の中小都市へも拡大される。

来場者がクローバ・ケアコールを体験している(c)KOREA WAVE来場者がクローバ・ケアコールを体験している(c)KOREA WAVE

 

◇AIが記憶し、共感できるとしたら

「ケアコールに心の内を打ち明けたら、気持ちがずっと軽くなりました」

神戸に住む69歳の鈴木さんは、ケアコールとの会話を通じて、5年前に亡くなった夫の話を初めて口にした。

言語障害のある67歳の高橋さんも「ケアコールとの会話が、固く閉ざされていた言葉の扉を少しずつ開いてくれるような感じだった」と語った。

クローバ・ケアコール体験ブースは来場者の大きな関心を集め、盛況となった(c)KOREA WAVEクローバ・ケアコール体験ブースは来場者の大きな関心を集め、盛況となった(c)KOREA WAVE

このようにケアコールは、単に健康状態を尋ねる機能にとどまらず、話し相手や感情を分かち合うパートナーとしての役割まで果たしている。

こうした機能を備えたクローバ・ケアコールは、2025年3月に内閣官房が主催した「Digi田(デジでん)甲子園」大会において、日本全国から応募された数百件のプロジェクトの中で、海外企業として初めて本選に進出した。最終的に第5位に入賞するという成果を収め、サービスの優秀性が公式に認められた。

◇デジタルツイン、都市全体をつなぐ福祉プラットフォームとして

ケアコールが個人の情緒と健康を支えるとすれば、ネイバーのデジタルツイン技術は都市単位の福祉インフラを構築するプロセスを示している。この技術は、都市を3Dで再現し、高齢者の位置や移動をリアルタイムで把握する。異常行動が検知されると即座に管制センターに通知するシステムだ。

ネイバーのデジタルツインは、福祉・医療・治安など都市のさまざまな機能を統合的につなぐAI基盤の都市福祉プラットフォームとして注目されており、ケアコールとともに、日本国内で福祉ニーズの高い都市への普及が期待されている。

デジタルツインの展示では、都市を3Dで再現した技術が披露された(c)KOREA WAVEデジタルツインの展示では、都市を3Dで再現した技術が披露された(c)KOREA WAVE

 

◇「福祉技術から日常になるAIへと飛躍」

パフォーマンスゾーンでは、ケアコールの機能がミュージカル形式で披露された。来場者らはクローバ・ケアコールをテーマにした公演を楽しみながら、AI技術が人のそばに寄り添う形を実感した。

ネイバークラウドの関係者は「ケアコールはユーモアを交わし、感情を共感できる友達のような存在だ。技術は十分に温かくなれる。AIとデジタルツイン技術は、もはや単なる革新を超えて、超高齢社会において人を見守り、都市全体をつなぐ福祉インフラとして定着しつつある。誰かの安否を気にかけ、危機の兆候を察知して先に手を差し伸べる技術が、まさに私たちの日常になるだろう」と語った。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News


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