気温や湿度が高くなる夏は、虫に遭遇する機会が増える時季です。
体の一部がオレンジ色をしたアリのような虫を見たことがあるでしょうか。あるいは、知らぬ間に線状の火傷のような皮膚炎や水ぶくれができていたら、それは「やけど虫」が原因かもしれません。
近くにいても気づかないほど小さい虫ですが、⾍ケア⽤品最⼤⼿のアース製薬は「やけど虫には絶対に触れてはいけない」と注意喚起します。特徴や対策について教えていただきましょう。
なぜ「やけど虫」?
「やけど虫とは、アオバアリガタハネカクシの俗称です。甲虫の仲間で、体長6〜7mm、頭部・後胸・尾の2節が黒色、前胸・中胸はオレンジ色をしています」
名に“アリガタ(蟻形)“とあるように、一見アリに似ています。しかし、油断して触ってしまうと危ないことになるので注意が必要です。
「アオバアリガタハネカクシの体液には、『ペデリン』という有害物質が含まれています。卵、幼虫、蛹(さなぎ)、成虫すべての体内にあり、小鳥などに食べられるのを避けるためとされています。
つぶしたり払ったりして体液に触れると、あとでミミズ腫れや水ぶくれのようになり、痛みが続くこともあります。症状が火傷のようであることから、やけど虫と呼ばれています」
しかも、やけど虫は比較的身近なところに潜んでいます。
「アオバアリガタハネカクシは北海道から沖縄まで分布しており、生息場所は田んぼや河原、池、沼、湿った草地などです。
やけど虫の成虫はほぼ1年中見られますが、主な発生時期は4〜10月頃で、6~8月は特に注意が必要です。昼間は石の下、草や落葉に隠れていることが多く、庭仕事や農作業、花火、キャンプ、アウトドアレジャーなどで被害にあうことがあります。
また、アオバアリガタハネカクシは明かりに誘引される性質をもっているため、窓などから室内に侵入したり、自転車のライトに向かってくることもあります」